今、何を学べばよいのか

 

近年、学校教育で「道徳」の授業の必要性がいわれるようになりました。文部科学省は、児童生徒が、生命を大切にする心や他人を思いやる心、善悪の判断などの規範意識等の道徳性を身に付けることはとても重要だと伝えています。いったい、道徳とは何でしょうか。カントは「道徳」について、「道徳」は『どうしたら幸せになれるのか』ではなく、『どうしたら幸せに値するような人間になれるか』ということについての教えだと述べています。カントは、財産や健康や身分などを「幸福の賜物」と呼んでいて、それは人間の行いの是非によるものではなく、いわば偶然にあたえられたものと考えることができる。われわれの道徳行為と幸福は全くといっていいほど無関係であることを彼は主張しているのです