偉業をなしたセリエの名言

偉業をなしたセリエの名言

生理学で「ストレス」という言葉を初めて用いたのは、ストレス学説の提唱者として有名なハンス・セリエ(1907-1982)です。セリエは、1936年ネーチャー誌に論文を発表します。ストレス学説の最初の論文ですが、文中に抽象的であるという理由からストレスという言葉を使用することができずに、非特異的有害要因によって引き起こされる全身適応症候群と表現しました。

医学で使われるストレス反応は、心拍数や血圧の変化のような自律神経系を介した反応、副腎ホルモンを介した反応、不安などの感情の変化、そして行動の変容などを含みます。これらの反応は、いずれも脳を介した生体反応です。

セリエはストレスを「外部環境からの刺激によって起こる非特異的反応」と定義し、物理的(寒冷・騒音等)、化学的(薬物・化学物質等)、生物的(炎症・感染等)、心理的(怒り・緊張・不安等)なストレスの原因となる刺激があるとしました。また、ストレスにさらされた時の生物の反応には3段階の時期があるとし、警告反応期、抵抗期、疲憊期(ストレスに耐えれなくなり疲弊してしまった時期/抵抗力が衰え身体が衰弱していく)と分類しました。

このように、今ではストレスという生理反応は医学分野で一般的になりましたが、発表当時のセリエには、新しい学説の提唱者としての孤独、重圧、批判、無視など多大なストレッサーを受けながら、ストレスの研究を続けています。それゆえ、セリエの著書には、哲学的な文章の引用も多くみられ、自己実現的、自己成長を促すような記述が散見されます。そして、それらは多大な忍耐と努力を果たした人が到達する精神性を感じさせてくれます。そこで、改めてセリエの著書を単なる医学一般書としてではなく、挑戦する人生における教訓として、セリエの自著から名言を集めてみようと思い立ち、次回の有朋会会報NO18に掲載する予定で進めています。(参考文献・現代社会とストレス.1988・生命とストレス.1997・夢から発見へ.1969・ストレス.田多井.1956など)

いくつか紹介してみましょう。

  1. 自然界の存在は、人間も含め全てがストレスを受けることで、様々な機能、能力が成長、進化します。
  2. 直感的研究ということを軽視しないでほしい
  3. 不自然なストレスは生き方次第で簡単に手放せるものです。
  4. ぜひ自然界の自然を知り、適度な自然界のストレスに成長、進化を委ね不自然なストレスを手放していってください。それだけでもあなたの才能にも大きな影響を与えることになります。
  5. 自然界で本来目指すべきものは、大切な誰かの幸せを実現していくことです。