ケアの意味
現代社会がストレスに満ちているだけに、私たちがより幸福に生きるためには、ストレスを望ましい方向にケアすることにおいて他にないといえます。
近年、ケアという言葉がよく使われる時代になりました。看護ケア、介護ケア、ターミナルケア(末期がんなど、治癒困難な患者と家族を対象とする、身体・精神両面の終末期ケア)という分野で使われることが多いため、医療や福祉分野の言葉のイメージがあります。しかし、ケアとはケアから連想される特定の職業層のための言葉ではなく、その人が成長すること、あるいは、自己実現をすることを援助することです。ケアは、ケアされる人だけでなく。ケアする人も成長することが必要です。自分のため、他者のため、社会のために仕事をする、すべての人にとってケアとは、単なる「サービス」のようなものでは決してありません。ケアとは、人が生きる上で本質的な営みであるといえます。
家族のストレスケアは、問題を改善するために、ストレス因子である心理社会的問題をどう考えどう乗り越えるかを自分自身で開始し、遂行する諸活動の実践です。さらに、「家族ケア」の中心概念は、家族を構成する人が、幸福や健康の決定要素をコントロールすることによってストレスを軽減させ、環境に対応することによって、幸福や健康の改善を可能にするプロセスです。
したがって家族ケアの発展は、「すべての人があらゆる生活の場で幸福や健康を享受することのできる社会」の実現を果たしていくことになります。
また、ストレスケアにおける「健康」は生きる目的ではなく、日々の生活を「幸福に過ごす」ための自己実現的資源であり、ストレスのリスク因子を回避する社会的資源であることを強調した積極的な概念になります。