自己成長を考える
私たちが義務教育で受ける知識の多くは、一定不変の知識であり、その知識をもって、刻々と変化する自己や自己の周りとの関係をどう考え、どう乗り換えるかという実践的理解、あるいは、自己成長的なものではありません。具体的な社会生活で必要な知識は、社会に適応していくための、知恵であり、感性なのです。
ラングランは、大人と子どもの教育上の違いは、外からの強制であるとしています。つまり、子どもの教育は外発的であり、大人は内発的であるという意味です。大人は子どもと違い、教育の目標も教育内容も自分自身で教育しなければなりません。生涯教育は、自分自身で「教育」の意味を自覚しなければ始まらないのです。
いつでも始められるし、いつでもやめられます。また、全くしないという選択もあり得る先進国の教育制度は、「学校は教育の終わり」という固定観念が根強く作られていて、その伝統にしがみついているのではないでしょうか。
発達心理学のジャン・ピアジェは「子どもは大人の親だ」といい、生涯教育の提唱者のポール・ラングランは「大人は子どもの相続人だ」と述べました。当たり前ですが、私たちは、子どもから大人になります。もっと突き詰めれば、人として生まれ、人生で誰も経験することを考え、乗り越えながら行動しながら育っていくのです。